皆さまこんにちは。眠り屋よねはら店長の前田です。
今日から始まる「ブラックフライデー」。
大手量販店でも大々的に宣伝しています。
楽天やamazon等のネット通販でも、お得に買い物ができる期間が一年に何回かありますね。
欲しかったあの商品が半額!?とテンションが上がり、あれやこれやと買い物したくなる訳ですが、
その商品は「果たして、その価値があるのか?本当に必要なのか?」と自問自答する事もあるかと思います。
「(食べたい)食品」や「(ずっと欲しかった)電化製品」は、通常の期間や、他のお店と比較しやすかったりしますが、
「布団・寝具」はなかなか買い替える物でもありませんし、
その比較が難しい分類の買い物じゃないかと思います。
そこでこのブログの登場です。
どこかで「この羽毛ふとん安いから買おうか!」となるその前に是非ご一読いただき、参考にしていただければ幸いです。
それでは「失敗しない羽毛ふとんの選び方」を解説します。
羽毛ふとんの価格は、様々な要素が組み合わさって決められています。
・生地
・ダウン(羽毛)の質
・重量
・キルティング
この4点が、重要なポイントです。
商品タグを見れば、玄人でなくともわかる事もありますので、
その羽毛ふとんをレジに持って行く前にチェックしてくださいね。
生地
組成
ふとんがわ:綿 100%
と表記されています。
(※ePTFEラミネート加工とあるのはGORE®の生地が裏に貼り付けていますよという事ですので、今回はあまり気にしないでください。)
この羽毛ふとんの生地が「綿100%」ですという意味です。
なんとなく、身体には「綿100%が良い」という事はおわかりいただけると思います。
ところが、最近では「ポリエステル生地」が多くなっています。
・肌触りがいい
・軽い
・柄が映える
・製造コストを抑えられる
というメリットが、各メーカーさんがポリエステル生地を採用する理由だと思われます。
ポリエステルは繊維自体が非常に細いので、指で触ってみると「さらっ」「てろん」とした感触。
繊維が細いので軽い。
これは良い事でもあるのですが、その反面、
・綿に比べるとムレやすい
というデメリットも。
理想の睡眠環境を考えると「ムレ」は大きな問題です。
「綿」でも細い糸を使うと肌触りはよくなり、軽くもなります。
しかしやはりコストは割高に。
このバランスを見極めましょう。
ちなみに眠り屋よねはらでは「綿100%」の羽毛ふとんのみ取り扱いしています。
ダウンの質
さて次は、
詰めもの:
ダウン 93%
フェザー 7%
とあります。
ダウンはタンポポの綿毛をイメージしてください。
↑こんな感じです。
フェザーは羽根です。
↓
例えばフェザー100%だったとすると、
ただ単に羽根が重なっているだけなので、空気の層ができず保温力が低いふとんになります。
これを「羽根ふとん」と言います。
(※フェザー50.1%以上で)
ダウンが100%に近づけば近づく程、フワッとしていて、あたたかい空気を含む「軽くてあたたかい羽毛ふとん」になります。
つまり、「○○産のダウンが入っています!」と宣伝していても、そのダウンが数%入っているくらいでは意味がありません。
ダウン率が85%以上のものを選びましょう。
ダウン率をクリアしてもそのダウンの「産地」も注目しなければなりません。
単純に言うと「寒い国で育ったダウンが良い」とされています。
もちろんそこには水鳥が大きく健康に育つ環境も必要になり、ポーランドやハンガリーなんかがその代表になります。
産地表示があれば確認してください。
産地をクリアしたら、次は「種類」に注目です。
例えば「ポーランド産ダウン90%」と表示があっても、そのダウンは何のダウンか?です。
代表的な3種類は、
①ダック
②グース
③マザーグース
です(①→③の順で品質UP)。
「ダック」と「マザーグース」ではダウンひと粒の大きさがまるで違います。
なので、例えばですが「有名な産地のダックダウン」よりも「無名な産地のマザーグースダウン」の方が品質が高い場合もあります。
もっと言うとその産地を偽装するような悪徳業者もあります。
…ややこしくなってきましたね。
中を開けてみて、検査をしないとわからない「ダウンの質」は、そのメーカーの良心を信じるしかありません。
つまり、安心できるメーカーの羽毛ふとんでありつつ、安心できるお店・スタッフが勧める羽毛ふとんでなければいけません。
その前提で、表示を確認して「○○産グースダウン85%以上」が「ダウンの質」の合格ラインかと思います。
(ご自身が毎日使う用であればグース。来客用等であればダックでいいと思います。)
重量
さて、ダウンの質をクリアしたら次はその重量です。
詰めもの重量:1.25kg
とあります。
一般的に冬に使う羽毛ふとんは「1.2kg」のダウンが入っているべきだと思います。
(よっぽどの暑がりさんや、気密性が高過ぎて冬でも暑い部屋でお住まいの方はこの限りではありません。)
最近では羽毛ふとんの肝となる「ダウン」自体の価格が世界的に高騰しており、一昔前の価格帯では販売できなくなっています。
これは致し方ないことなのです。(羽毛ふとんリフォームという手もあります。)
しかし、お店によってはセールを定期的に開催して「安い!」とイメージしてもらわなければいけないという事情もあり、
「言葉」のマジックが使われます。
「この羽毛ふとん、軽いですよ~」と。
そう「軽量」を謳うのです。
「軽くてあたたかい」という事が羽毛ふとんの良い所ですから、嘘ではないんですが、
「軽い=ダウンが少ない」で販売する、つまり原価を落として売価を合わせて、お客様の誤解を招くのは、いかがなものか!と思います。
気になった羽毛ふとんが1.2kg未満であれば、少しあたたかさを犠牲にしてもいいものか、考えてみてください。
キルティング
あとは「キルティング」です。
これは一番わかりにくいポイントです。
キルティング(キルト)とは、
ふとんの中で羽毛が片寄らないために、いくつかの部屋に仕切ることですね。
キルティングがない羽毛ふとんはさすがに無いと思いますが、
「横4マス×縦5マス」が主流です。
(※夏用のダウンケットや羽毛肌掛けふとんはこの限りではありません。)
「マス目(部屋数)が多い場合」
メリット=羽毛が片寄りにくい
デメリット=羽毛が膨れにくい・重くなる
「マス目(部屋数)が少ない場合」
メリット=羽毛が膨れやすい
デメリット=羽毛が片寄りやすい
う~ん、これは難しい問題です。
リフォームのご相談などで、「横3マス」の羽毛ふとんをたまに見ますが、
シングル1枚の横幅150cmに対して、3マスだとやはり片寄りが気になっている方が多いです。
経験上言えるのは、オススメは「横4~5マス」です。
「5マス」の良い所はズバリ「真ん中が膨れる」からです。
ふとんの真ん中で寝る事がほとんどですからね。
その真ん中が膨れてくれると、やっぱりあたたかい。
工夫されているモデルになると、両サイドのマス目は小さく、真ん中のマス目は大きく作られているものも有ります。
「4マス」は、縫い目がちょうど真ん中にきてしまうわけですが、
きちんとしたモデルならば、ふとんの中に「マチ」が入っているので、
羽毛の膨らみを阻害しないようになっています。
粗悪なものや、生産コスト第一で作られたものは「直縫い」していて羽毛が膨れられなくなっています。
可能であれば売り場で羽毛ふとんを広げてチェックしてみてください。
まとめ
以上のことをまとめると、
・生地の種類は綿?
・ダウンは85%以上?
・ダウンが1.2kg以上入ってる?
・キルティング、縫製はちゃんとしてる?
どこまで品質の高い羽毛ふとんを求められるかですが、
10年スパンで使うものであり、(いくらセールで安くなってるとは言え)高価なものでもありますから、
しっかり吟味してお選びになってくださいね。
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