今回の羽毛ふとんリフォームをご依頼くださったのは50代女性。
3月のある日、明るい笑顔で「この羽毛ふとん、リフォームできますか??」と2枚の羽毛ふとんを持って来てくださいました。
豪華絢爛な刺繍が施された側生地。
ヘタってはいるものの、高級なダウン(羽毛)が中に入っていることもわかりました。
聞いてみると、ご結婚の時に用意された高級な羽毛ふとんだそうです。
「ここ数年は押入れに入れっぱなしで使っていなかったんです。何とか有効活用できるかなと思って。」
劣化もそこまで激しくなく、リフォームができる状態だったので、色々なリフォーム方法をお話・・・の前に、
「分厚い・薄い・軽い・サイズ等々、どのような羽毛ふとんに生まれ変わるのがよろしいですか?」と質問させていただきました。
「なるべく薄くしてください。押し入れの場所をとるのもイヤだし、薄めの方が長い期間使えるんで。1枚でいいんです。」
お客様のご要望を理解しました。
しかし、問題が一つ。
1枚の薄い羽毛ふとんを仕立てるのであれば、
お預かりする羽毛ふとんも1枚で足ります。(今回の場合は)
ということで、考えらえる最も有効活用できうるパターンをご提案。
①「余ったもう一枚を違う形にリフォーム」
②「2枚を冬用の羽毛ふとんにリフォームして、薄めのものを購入する」
③「一枚だけお預かりし、もう一枚はお返しして違う形が欲しくなった時まで保管、もしくは(邪魔であれば)処分」
しかし、お客様の答えは「2枚を1枚にしてほしい。」です。
仕上がりが「1枚」にこだわられる理由は、「収納場所、スペース」の問題であり、2枚も必要ないということでした。
そして「2枚を」の理由は「亡くなったご主人とペアで使っていたものだから」と。
「有効活用」ということだけにクローズアップし、合理的な事ばかり話していた自分を恥じました。
「2枚を1枚にする」ということがこれほど大切なことなのかとお客様に教えていただきました。
どういった背景があるのか、本当の意味でお客様のための羽毛ふとんリフォームを承るのなら、差し支えない範囲ではありますが、可能な限りお聞きしておかなければいけません。反省です。
ご要望をしっかりと受け止めさせていただいたら、「どんな仕上がりにするか」というお話になります。
そのご要望は「長い期間使える・場所をとらない・軽めのもの」。
側生地のマチや仕立ての方法等々、
ここは専門店(眠り屋よねはら)と専門メーカー(西川リビング)さんの腕の見せ所です。
大体の仕上がりのイメージを最大限していただけるように、身振り手振り、実際の商品も交えてご説明をさせていただき、
あとはお任せいただけることになりました。
西川リビングさんと何度も打ち合わせし、
仕上がったのがこちら↓
仕上がりも見て納得です。
正直申し上げて、真冬にこれ一枚では寒いです。
真夏にこれでは暑いです。
しかし、
「できるだけ長い期間使える」
「できるだけ場所をとらない」
「できるだけ軽い」の
絶妙なラインです。
これこそがお客様が求められていた仕上がりだと思います。
ただ単に薄いだけではありません。
衿元は、身体・肩口にフィットしやすいキルティング。
身体とふとんの間に空間ができにくく、羽毛の片寄りも防げます。
(↓写真上部の部屋割りが細かいでしょ?これが肩口にあたる部分なんです。)
もともとの状態に比べ、体感的には半分以下の重さになっているかと思います。
(羽毛充填量約1.5kg+豪華な刺繍がある側生地⇒羽毛充填量約0.7kg+オーソドックスな綿100%側生地)
それより何より、ご夫婦の思い出の詰まった羽毛ふとんが、年間を通じて使いやすい「1枚の羽毛ふとん」になりました。
こんな粋な計らいも。
元のふとんで使用されていた側生地もきちんと2枚分、切り取った状態で送ってくれました。
西川リビングさんって大きな会社、メーカーさんなのにこんな細かい気配りもしてくれるから大好きです。
今の生活に合わせて使いやすくなった、でも
昔の生活を思い出せる羽毛ふとん。
きっと楽しみにお待ちいただいていると思うので、早速配達行ってきます!
羽毛ふとんや木綿わた布団のリフォーム、打ち直し仕立て替えのお見積りは無料です!
お気軽にどうぞ♪
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